4回生 多田篤人君,最優秀卒業論文(森田慶一賞)受賞!

4回生の多田篤人君の卒業論文「VR技術を用いた垂れ壁の印象評価 ―認知症グループホームを対象として―」が,計画系で最優秀卒業論文(森田慶一賞)に選定されました.おめでとう!

主な結論は以下の通りです.

1)「垂れ壁のないフラットな天井の空間」と,「背景と同色の白い垂れ壁で仕切られた空間」では,広さの印象に有意差がみられた.また,2)「木の素材の垂れ壁」は,「フラットな天井」の場合と比較して,「落ち着き,温かみ,居心地,家らしさ,安心感,覚えやすさ,広さ,開放感,主観的な好ましさ,総合的な評価」に有意な差がみられた. つまり,天井面が木の垂れ壁で仕切られることで,グループホームとして認知症の高齢者に適切な空間になると思われる結果が得られた.
その一方で,3)「木の素材の垂れ壁がある空間」と,「背景と同色の白い垂れ壁で仕切られた空間」においても,「落ち着き,温かみ,居心地,家らしさ,安心感,覚えやすさ,広さ,開放感,主観的な好ましさ,総合的な評価」に有意な差がみられた.
以上のことから,垂れ壁の有無は,まず,空間の広さの認識に優位な差をもたらすこと,また,一律に垂れ壁があれば,「落ち着き,温かみ,居心地,家らしさ,安心感,覚えやすさ,広さ,開放感,主観的な好ましさ,総合的な評価」に効果が得られるのではなく,「背景色と同じ白い垂れ壁」のある場合においては,その効果が少なく,住宅らしい木質系の素材で,背景とは異なる明確な色の差をもたらす垂れ壁の場合に,その効果が大きく表れることが明らかになった.